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白米の奇跡、稲わらの失敗を繰り返すな

米の暫定規制値は1kg当たり500ベクレル(放射性セシウム)と決められましたが、
平成23年度産の米の検査結果では、殆どが検出下限値以下や、50ベクレル以下です。

50ベクレル/kg程度としておいた方が、国内外からの米の評判を落とさなかったと思いますし、
そもそも、他の食材と食べる量が根本的に違うので、その点でも厳しく制限しておいた方が良かったでしょう。

ただ、22年度産米が飛ぶように売れたとおり、日本中が心配した米の放射能汚染ですが、
それほど酷くなかったのは本当に不幸中の幸いでしょう。
主食の米が、放射能に汚染されにくいことは、日本の食の復活上、非常に幸運なことです。

実はこのことは過去の研究から、十分予測可能なことでした。
以下は、土壌から農作物への放射性物質の移行係数のデータです。
(津村昭人,駒村美佐子. 小林宏信:土犠及び土績ー植物系における放射性ストロンチウムとセシウムの挙動に関する研究から、原子力環境整備センターが引用)

移行係数

この表から分かることは、
・米、特に白米には、放射性セシウム、ストロンチウムが移行しにくく、
 代わりにその他の部位に蓄積される。
・土壌中のカリウムが不足すると、放射性セシウムの米への移行が増える。
ということであり、
・水田がカリウム不足にならないよう注意する
・副産物として発生する、糠(ぬか)、もみがら、稲わらでの汚染拡散を防ぐ
ことがこれから重要となります。


牛肉のセシウム汚染は大変な問題となりましたが、
汚染稲わらを田畑に施す、野焼きにすると、
人為的に防止可能な汚染拡散を、またやってしまうことになります。

食材として使われる米ぬかについては、ようやく9月16日に、
農水省から
平成23年産米から生じる米ぬかの取扱いについての通達が出ました。
しかし、米ぬかだけでは十分でないことは誰の目にも明らかでしょう。

放射能汚染を受けた地域では、ぬか、もみ、稲わらなどの農業副産物の拡散・使用を止め、
国、自治体がそれを回収し、放射能を拡散させず、濃縮化させて保管する対策が必要です。

このままでは、汚染稲わらによる家畜(肉、牛乳)、野菜への汚染拡散、
野焼きによる大気中への汚染拡散が繰り返されます。

何としても、国、農水省はこれ以上の放射能汚染拡散を防ぐべきです。

非正規社員率37.8%の現実と未来

2011年7月の全国失業率は4.7%でした。(8/30発表総務省労働力調査)
この数字は、岩手県、宮城県、福島県を除いた調査結果です。

そしてもう一つ、気になる数字が非正規社員比率です。出典 SankeiBiz
平成22年の全労働者に占める非正規社員比率は、過去最高の38.7%だそうです。
詳しい数値は、厚生労働省平成22年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況に掲載されており、最近の数値は以下の通りです。
       計   男   女
平成22年 38.7% 24.7% 58.1%
平成19年 37.8% 24.0% 57.4%
平成15年 34.6% 20.0% 55.6%
平成11年 27.5% 
平成 6年 22.8%
女性は男子の2倍以上の非正規率であり、男女とも増加傾向ということが分かります。
事業者が非正規社員を洗濯する理由は、「賃金の節約のため」が43.8%(前回40.8%)がトップです。

より以前からの推移として、以下のデータ(こちらは非農林業雇用者対象)がありました。(出典:社会実情データ図録))
社会実情データ図録
右肩上がりで非正規社員が増加しています。
そして、労働者総数はほぼ横ばいだったのですが、2011年には減少しています。
日本の高齢化を反映し、団塊世代等、人口の多い世代の引退(再雇用で延長させていますが)が、
今後も続いていくでしょう。

そしてこちらが男女別、年齢別のもの。(出典:社会実情データ図録
男女年齢別正規非正規
男女とも増加傾向は変わりませんが、男性の若年層(15~24歳)の、
非正規率の伸びが非常に高くなっています。
それは1990年では20%だったのに対し、2011年では50%近くなっています。
ただでさえ若い世代は人口が少ないのに、正規社員の比率がその半分とは。
この先がどうなるか恐ろしくなります。
ちなみに、亀井静香氏がJAL乗務員の非正規化問題で抵抗していたのが、1994年(平成6年)。
マスコミの扱いは、規制緩和路線への抵抗勢力でした。
当時、誰のための規制だったのか、緩和対象とすべきだったのかの話は少なかった覚えがあります。


そしてもう一つのデータがこちら。(出典:渡部 喜智「若者の労働 正規・非正規の格差問題」
婚姻率 正規非正規
正規、非正規に関する婚姻率の違いです。
20~24歳以上の世代で、明確に非正規は婚姻率が低い傾向にあります。
少子高齢化問題を抱える日本は、婚姻率は非常に重要なものです。
敢えて結婚を望まない人もいて、それはその人の自由かもしれませんが、
結婚を希望しているのにできないのであれば、その自由を奪っていることになります。
(結婚に正規の肩書が必要、ただ結婚願望がないため非正規のまま、
 との割合もある程度あるかもしれません。)

さて、以上をまとめると、現在の日本その将来(改善されない場合)は、
・労働者総数が減少
・労働者に占める正規社員の比率が増加
 特に正規社員の比率が元来女子より高い男子で、若年層の非正規率化が著しい
・非正規は正規と比べて婚姻率が低い
・婚姻率が低下し、少子化へ。若年層が減少していく。
→ 個人所得&消費の減少、個人からの税収の減少が続き、少子高齢化が進む、
  さらには労働者1人が支える高齢者負担が増加すると予測できます。
ここまで日本を弱める社会システムが出来上がっているとは。

野田内閣では消費税増税の可能性が高いと予測されていますが、
個人をターゲットにしたところで、これが長期的な安定財源になるか怪しく、
消費税の税収が不足すれば、消費税率アップということになるでしょう。

財政赤字を放置しておけば、現役、高齢者層は逃げ切り、
若い層に負担させることになるので、増税を早くすることは、
若者層にとっては良い話のはずです。

しかし、自分たちには与えられていた正規社員の雇用を若者に与えず、
婚姻を含めた生活を奪い、
少子高齢化と高齢者保護の世代間格差を構築し、
天下り、利権団体への保護を継続する社会システムを放置したままで、
不景気の中、個人を狙い撃ちした税制、低所得者層への負担のきつい消費税率強化は、
悪魔の行動です。
行政改革で税金無駄遣いと、既得権者に手厚い社会を止め、
本当に必要な支出に押さえた上でなければ、全く納得がいきませんし、
税収が不足すればそのまま増税という悪政が続くことになります。

事業者は社会へ果たす役割は、富と雇用の創出です。
特に日本型終身雇用は、愛社精神に支えられた日本企業風土を産み、
レベルの高いチームプレイで世界トップの成果を上げてきた。
そのことを忘れず、努力してもらいたい。
(不景気の中でも、松下幸之助、土光敏夫といったリーダーは終身雇用を守った)
高齢者は若者への負担を減らすため、医療費を削る努力をする、
医療業界も、将来層へのツケも使いながら医療をしている認識を持ち、
医療費を最低限のものにする意識を持つべきです。

特に政治は、これまで放置を続けたこの危機的な現状に向き合い、
国民にごまかすことなく真実を伝え、
ムダを産み、産業競争力を下げている利権・保護構造を壊し、
真剣に将来の日本を考えた政策(少子化対策もそう)を行うべきです。

再生可能エネルギー法が可決されましたが、国民にとっては負担増です。
エネルギーの再生どころではなく、日本社会そのものの継続可能性が危機的状態なのです。

3.11の東日本大震災、福島第一原発事故と日本は本当に苦しい状況です。
不景気、少子高齢化、財政赤字の中、戦後よりも厳しい世の中かもしれない。
でも、日本人一人ひとりはへこたれずに立ち上がり、
汗水たらして復興に頑張ることでしょう。
しかし、その努力が国のため、一人ひとりのためにするためには、
政治が国全体を抜本的に見直し、良い国作りをすることが絶対に必要です。
でなければ、国民の努力やチャンスや豊かさは、
これまで通り、奪われてしまうことになります。
私たちは政治を監視し、選挙等で良い政治家を選んでいくことが必要です。

コメ先物価格の状況 米汚染少なく下落傾向?

コメの先物取引が72年ぶりに再開され、買い注文殺到とのニュースがありました。
これも津波、水害、そして原発影響との話がありましたが、最近どうなっているか、
あまり耳にしなくなりました。

東京、大阪のいずれの取引値も公開されており、調べてみると・・・
こちらが東京(出典:東京穀物商品取引所web
関東

そしてこちらが大阪です。(出典:関西商品取引所web
大阪

いずれも最初が一番高く、後はズルズル・・・。

最近続々と23年度米の放射能検査結果が報告されていますが、
検出か現地以下、もしくは暫定基準値を大きく下回っているとのことで、
価格下落要因になっているのでしょう。

今後の検査結果はもう少し注意していきますが、
日本人の主食の放射能汚染が少ないこと、
また、先物価格状況から、値上がり幅も少ないだろうことから、
良かったと思っています。

さて、読売新聞の記事には、取引量低調、その理由が以下と。
取引が低調なのは、夏休みの時期で先物業者や商社、流通、生産者などの取引参加が少ないからだ。背景には、「コメの価格が投機対象になりかねないと先物取引に反発している農業団体が、農家などに参加しないように締め付けた」(東穀関係者)面もあるという。

コメ先物取引は、日本人の主食が投機対象となって価格が高騰する恐れ、
既存の流通、価格決定システムを変えるチャンスの両面があり、
良いのか悪いのか判断が付いていません。
そういえば、お米の取引、流通の姿って知らないですよね。僕もです。

2年間の試験上場とのこともあり、
その間に一度最小単位(1俵=60kg)を買ってみようかと思うのですが、
30kgを一度にもらっても保管が大変そうだし、一般消費者向けでないかもしれませんね。
一般的な日本人は、先物というと良く分からないけれど、
ハイリスクのイメージも持っていますし(本当は高校までに教育しておく方が良いかと)。
あ、最小取引単位は100俵だそうです・・・。そのまま食べるために取引するものではないのか。
60kgが15,000円程度で買えるのは魅力的なのですが。

簡単に注文でき、10kg単位で、宅配もしてくれるのなら、
消費者としてはありがたいのですが。
そうさせない理由があるのかな、盛り上がっては困るような。
先物そのものの取引単位が大きく、そんなものなのかな。

電気代の国際比較から日本の電力事情を知る

世界の電力コストを比較してみます。出典:Scrap Japanさん
電気代の国際比較
こうしてみると、デンマークを始めとする欧州が高く、
アジア、オセアニア、アメリカが安いことが分かります。
CO2対策もありますが、やはりチェルノブイリ原発事故後に、
原発政策を見直し、自然エネルギーにシフトしました。
デンマークでは電気代の半分が、ドイツでは約3割が税金で、
自然エネルギー開発を支えているとのこと。
(デンマークの事情について、ポストさんてんいちいち日記さんのまとめが参考になります。)

あれ?日本の順位がおかしい、なぜアジア圏でなく、
欧州圏の電気代レベルにあるのだろう
とまず気付かれるかと思います。


また、脱原発し、自然エネルギーに単純に移行するのであれば、
欧州のような高い電気代に向かうことも予測できます。

ん?日本はまだ脱原発でないのに、すでに欧州レベル。
このまま脱原発すると、一体日本の電気代はいくらになるのか。


電気代の安い国よりも、原発依存率が低いのか、との疑問には、
各国の原子力発電が総発電電力量に占める割合(2009年)を参考に。
出典:ATOMICA(世界原子力協会のデータから)
02.gif

総発電力に対する原発の占める割合は、日本は韓国より若干低いものの、
台湾、アメリカ、カナダよりも高くなっています。
同じような資源、原発依存度状況で、台湾、韓国の2倍の電気代とは、
どう考えてもおかしいです。


日本の電力は質が高いとのことですが、一般市民の生活には関係ありません。
精密機器等の製造業には必要かもしれませんが、
ローカルな特区、シリコンバレーのような産業クラスターを作り、
そこには高品質の電力を供給する、その他は安くて、停電しない電力供給を行う、
とのことをすべきです。
大きな政治主導が必要ですが、こんな時代こそ、政治家に良いところを見せて欲しい。

日本の電気代について忘れてはならないのが、国民と東京電力圏内の利用者にツケが回る、
福島第一原発事故の損害です。
被災された方への補償、除染費用、農漁業・観光業への補償、
何年掛るか分からない第一原発の安全化処理。
(海外への損害賠償も気になります。地形的に福島の風下が太平洋であり、
 その分は救われていると思いますが。)

一体日本の電気代はどうなってしまうのか、
こんな状況だからこそ、徹底的に低コスト化の努力をしなければ、
とても納得のいくものではありません。


以下は武田邦彦先生:偉い人がウソをつく手口(2)電気代が高い理由からの引用です。
日本の電気代が高い理由は、
1) 国民がおとなしいから、
2) マスコミが電気代の比較を報道しないから、
3) 政治家、官僚、学者が丸抱えされているから、
4) 産業界も甘い汁を吸っているから、
であり、結局、電気代は競争なく決められる。競争が不要だから安くする努力は不要だし、
そこで得たお金を、マスコミ、政治家、学者、産業界に分配した方が、
国民を除くみんなが潤うから。
声を上げるのは国民しかいません。国民が声を上げれば、
本来の国民代表の代議士や、マスコミも動くでしょう。
国民が動かなければ、甘い汁を吸い続ける人たちは、今のままが良いとの人たちですから。

少なくとも、選挙の際はきちんと候補者を選んで、確実に投票することが、
日本を良くする一歩です。

電気代が高いことには、高い!おかしい!と声を上げることの他に、
安いところから買えば良いのです。
しかし今の日本はそれに規制を掛け、地域独占の電力販売形態をとっており、
それができません。
(電力自由化については、別途ブログで触れようと思います)

脱原発で産業界が海外に逃げてしまう、産業空洞化だ!なんていう言葉も、
今回の国際比較から、脱原発阻止のための嘘・方便だということが分かります。
元々電力を安くして、産業界に貢献しよう、外資メーカ参入を促進しようなんて
努力がないことが分かりますから。

セシウムからの放射線は3年で半分(最初に注意!)

過去に書いた3つの半減期ですが、セシウムについて私の理解が不足していたため、補足します。

セシウムは39種の同位体を持ち、福島第一原発事故で問題となる放射性のものは、
セシウム134(半減期:2.06年)
セシウム137(半減期:30.1年)
の2つ。先の記載は半減期の長い137だけ扱っていました。

半減期が短い方が、崩壊の際に被ばくしなければ早く減ってくれるので、
(事故直後の放射性ヨウ素から、放射性セシウムに懸念の中心が移っているように)
セシウム137が長期的な問題を含みます。

その存在比率ですが、水産物の調査結果ではほぼ1対1であり、
http://katukawa.com/wp-content/uploads/2011625-81721-500x467.png
その前提で(物理学的)半減期で計算した、減少を表したグラフがこちら。
http://katukawa.com/wp-content/uploads/2011625-112433.png
(参考情報1)

半減期が短いセシウム134が最初の数年で減少し、
以降はセシウム137がゆっくり崩壊していきます。

また、放出される放射線も134と137では異なります。
1崩壊あたり、セシウム134は137の倍の放射線を発生し、
かつエネルギーの大きい放射線を出すことから、
放射線の強さは、134は137の約2.7倍となります。
そして134の半減期の方が短いことから、
3年程度でセシウム由来の放射線は、当初の半分程度になります。
(参考情報2)

ということで、セシウムについても特に注意が必要なのが、
最初の3、4年程度となります。
それ以降はセシウム137の半減期30年に従い、減少は緩やかになってしまいます。

半減期が短いのは長期的な処理を考えると良いことなのですが、
その分一気に放射線を出してしまうので、
集中攻撃に弱い人体には、こちらの方が要注意です。
(人間を含む生物は放射線被ばくから、回復する機能を有しているため、
 集中されるよりゆっくりの方が影響が小さくなります。
 一方で、長期的なDNAへの攻撃はマズイとの話も出てきていますが。)

以上をまとめます。
・セシウムは最初の3年で、放出される放射線は半分程度になる。
・最初の3年程度に集中して放射能が出るので、この期間を特に気をつける。

事故直後の放射能、その後の食品汚染もそうだったのですが、
調査がされ、情報が出て、人々の被ばくを防ぐ対策が取られるまでには、時間遅れがあります。
その意味で、対策によって被ばくを当初の半分にする、そんな半減期もあると感じます。

私たちの子どもを守るのは、特に最初の注意です。
これら半減期を考えながら、この数年を乗り越えていきたいと考えています。

そして、より人為的努力によってなされる放射能低減の手段
「除染」について、国、東電、自治体、そして次期首相には真剣に取り組んで戴きたいものです。


参考にさせて頂いた情報:
1:勝川俊雄先生のブログ
水産物のセシウム134とセシウム137の比
http://katukawa.com/?p=4670

2:田崎晴明先生のページ
セシウム 137 とセシウム 134
http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/details/Cs137vs134.html